表紙の花こ・と・ば(83号)

カジニア・エレガンス=百日草
(キク科メキシコ原産)

写真の添書きにジュニア・エレガンス(百日草)とあった。花弁の様子も開花の初期のようで、てっきり「幼齢にして優美」といったイメージを抱いた。だが図鑑を調べてみると、ジュニアにあらずジニアが正解だと知った。ジニア=ヒャクニチソウにはエレガンス、リネアリス、プロフュージョン、ハーゲアナといった多数の品種が園芸用として流通しているそうだ。
いずれも生育旺盛で開花期間もその名のとおり長い。5月の開花から11月まで花を咲かせるので、「二百日草」が正体のようだ。まあ、百は数の多さの意味合いですからどうでもいいことですがね。

百の字のつく草木は多い。百日草どうように三夏を彩るものに百日紅(サルスベリ)がある。紅白の鮮やかな花には、このサルスベリの名称に違和感を覚えるのは私だけだろうか。木肌の感触からくる命名であることは分かってはいるが…。

ところで、我が家の花壇にも初夏に開花し晩秋まで次々に開花を続ける花がある。百日草に似て非なるもの、日々草である。百日に対して日々とは、後者が前者を立てて日々とへりくだった名称であろうか。小ぶりの色鮮やかな花弁が、毎日毎日、コツコツと花をつけますよと宣言しているようで、当方はこれを良しとしよう。
―日々草老後の日々を彩れり―(志厚)