進路指導研究会定例会報告 [2023.6.2]

文:私塾ネット副会長 仲野 十和田

【第225回定例会】「どうすれば明日に橋が架けられるか(大学・総合型選抜入試への取り組み)」発表:飛鳥井郁枝氏(文京学院大学、神田外語学院非常勤講師)神田外語学院にて

「総合型選抜入試(旧AO入試)はすべての生徒に適しています」。そう言い切ったのは、自称AI(AsukaiIkue)の飛鳥井さん。今春、法科系の総合型大学入試で実績を出し、それには一定の法則があり、その法則に沿った学びは、どの生徒にも体験して欲しいと言われます。総合型選抜入試の内容は、二極化しています。とにかく学生を確保したいために行う入試と、秀でた人物を取りたいために行う入試。後者は一般的に国立大学を始めとした難関大学ですが、文章を読み取る力や、自分の考えを相手に伝える力がかなりのレベルで必要となります。そして、対策でまず必要なことは、「自分の中に眠る『宝物』に光を当てる」こと。それが一見ネガティブに感じるものでもOK!例えばオタク系、「アニメオタク」「亀オタク」なども大いにOKですが、それを掘り出した後は、「教科横断的な教養」「自己発見」「社会化」を意識した、入試傾向に合わせた専門的な知識と対策が必要となります。「最終的には生徒の『自己肯定感』を上げるのが目的です」と言われていたのが印象的でした。

(感想)途中、参加者同士で話し合ったり、発表があったりと、温かいムードで研修が行われ、飛鳥井さんの普段の授業の様子も感じることができました。現在、大学入試も推薦型が50%を超え、国公立でも30%を目標としている中、我々学習塾もその知識を持って、高校生に関わっていく必要があると思います。そして、飛鳥井さんの授業は、単なる合格のためだけではなく、自分の持っている宝物を発見し、それを磨いていくことを大切にしています。「すべての生徒に適している」という言葉の意味が理解できた気がします。「高校生の時にこの授業を受けたかったなぁ」と思いました。