エリア関東 仲野十和田(ナカジュク)
通信制サポート校&フリースクールの開校当初に転入してきた生徒(高3女子)の髪の毛は7色、数か月後には妊娠をして、つばさ(以下、通信制サポート校&フリースクールを「つばさ」と称します)ならではのスタートでした。金八先生張りに「命の授業」なども行い、無事卒業することができました。卒業式で挨拶をしてもらったところ、泣きながら感謝の気持ちを、心を込めて伝えてくれたのが今でも思い出されます。今年は10回目の卒業式。一昔前までは、フリースクールのような存在は認知されませんでしたが、新しい法律もできて学校とも連携が取れ、生徒の居場所として認知されつつあります。つばさの子どもたちは、普通の学校では受け入れられなかった経験を持つ子が多いので、その分人に対して寛容です。また、心が繊細だからこそ、学校での変わった行動を指摘されているうちに籠ってしまうことがあるので、「この場所は安心、安全だ!」と感じたとき、その才能が開花し驚かされることはしばしばです。
話は変わりますが、不登校生にとってスマホは必需品なので、無理に取り上げたりしたら来なくなります。実は昨年度までは授業中などでもスマホの所持を認めていましたが、全校集会でスマホのことを全員で話し合ったところ、授業中はスマホを預けるというルールができました。生徒たちはしっかり守ってくれるし、さらに授業への参加率も高くなり、遅刻も減るようになってきました。子どもたちは、スマホ依存のことも受け止めているし、勉強をした方が良いこともわかっています。もし大人たちが先入観だけでそれを抑えつけたりしたら、そこにいる子どもたちの可能性を見いだせなくなってしまうでしょう。子どもたちはしっかりと答えを持っているのです。
つばさの面白いところは、塾と異なり成績アップにコミットしなくて良いところだと思っています。いま、目の前の子が集中して絵を描きたいならそうさせてあげて、時間のあるときに一緒に美術館に行ってあげたりと、平日の昼間を自由に使うことができるので、様々な対応ができます。そして、美大に目標が定まったなら、勝手に勉強を始めます。コロナの影響もあり、今まで通学できていた子たちが迷子になった場合にも、つばさのような居場所も必要になってきたような気がします。
※今回の私の写真は、カメラ好きの生徒が撮ってくれたもので、お気に入りです。