エリア報告|村戸 公博 (あおば伸学塾 ・青森県)

あおば伸学塾の村戸です。2017年3月に青森県八戸市で開業して、今年で6年目に突入しました。いまだ試行錯誤しながら最善の解を出すのに奮闘する毎日ですが、通ってくれている生徒やその保護者の方々、お知り合いの多くの先生方に支えられて、なんとかひとりで切り盛りできています。まだまだ未熟者ですが、こちらで今後よい報告ができるよう、若さをフル動員していろいろチャレンジしていきたいと思います。

さて、今回の入試を終えて感じた部分について述べたいと思います。今年の青森県の入試は、コロナ禍で易しくなっていた前回までよりも高難易度の問題が多かったという印象です。それに加え、教科書改訂の大きなポイントは押さえていたものの教科書の隅々まではと言うと甘い部分があったことを思い知らされた回でもありました。今回私が衝撃だったのが、社会の語句を書かせる問題で「エシカル消費」が出たことでした。エシカル消費とは、「環境や社会、人に配慮した商品(リサイクルの商品・被災地の商品・フェアトレードの商品)を選んで消費すること」(東京書籍・公民の教科書より)です。入試の日はその解答を見て、「エシカル消費なんて教科書のどこに書いてある?」と、集まった先生たちで一時大騒ぎでしたが、実際に探してあった場所は教科書端の「公民にアクセス」という窓の欄。

あぁー、こういうところからも出題されるようになってきたんだなぁ、と。確かに過去の社会の問題でも、地理で小麦の栽培に適した環境についての問題が出題された際、「ひであきさんの自由研究」なんていう狭間のページにその記述があったこともあり、そんな問題出すか!?と思ったのと同時に、教科書って大事だなぁと改めて思った出来事でした。ちなみに県教委が発表したエシカル消費の問題の正答率は7.0%でした。たった7%と見るか7%も!?と見るか?

今回のことを受けて感じたのは、1つは教師側の準備の重要性です。こちらにもプライドがありますので、「え、そんな言葉聞いたことないよ!教科書に載ってる?」とは言いたくないわけです。そうならないような準備を心がけ、情報は日々アップデートしていきたいな、と。2つ目は、今回のような出題があったことで上位層の生徒側の向上心をくすぐることができるという点です。特に数学で多いですが「正答率の低い問題に燃える子」が、もっと理科や社会の教科書を読んでくれるようになる、そんな指導に結びつく気がしました。教科書には私たち教師側でさえ目からうろこの情報がたくさん散らばっています。学習の基礎であるそれをベースとし、大事にする子たちを育てる。そんな指導をしていきたいと感じたこの頃の近況でした。