アロー教育総合研究所 高大接続総会の参加報告 [2022.5.31]

(文:中村直人)

2022年5月31日(火)午後1時より、ベルサール秋葉原にて2022年高大接続総会が開催された。参加者には、『大学入試解体新書2022』がプレゼントされた。各プレゼンテーションコーナーには整理券が必要。会場は、ほぼ満席の盛会であった。

第1部

1.明治大学/立教大学/中央大学/法政大学大集合!パネルディスカッション「次の一手」

田嶋裕所長司会による各大学担当者「次の一手」の話し合い。中央は、法学部が八王子から都内茗荷谷新キャンパスへの移転。明治大学では、新教育棟「和泉ラーニングスクエア」完成、2025年生田キャンパス再編。立教大学は、2023年スポーツウェルネス学部新設。コミュニティ福祉学部再編。法政は、国内大学との交流学生制度・千代田区近隣4大学との単位互換制度・フルオンデマンド授業による数理・データサイエンス・AIプログラム・その他。最近はどの大学も学生のデータサイエンスへの欲求が強いようで、理系・文系を問わずそのプログラム充実が求められているようだ。

2.「日本の大学で世界水準の学びを!『国際教養学部』新設」

武蔵大学 国際教養学部長 東郷賢氏 世界水準で学び抜く覚悟はあるか、という新聞広告を打った。要するに、海外の学生と同じように勉強してみませんかということで、国際教養学部を始めた。世界レベルの経済・経営学を学びロンドン大学の学位取得を目指すEM専攻と英語と異文化体験を通してグローバル人材を育てるGS専攻に分かれる。両大学の学位取得可能なPDPプログラムにより、3期生では11名ロンドン大学の学位を取得した。その卒業生たちは、Infosysやアクセンチュアなどの世界の一流企業に就職している。

3.「どう進める?新指導要領受験対策?変わるもの、変わらないもの」

駿台教育研究所 石原賢一氏 ※後述

第2部

1.「研究最前線レポート〜いま研究室で〜」

新潟医療福祉大学 近藤至氏 看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉・医療ITの総合大学。リハビリテーション学部の中に新しく鍼灸健康学科ができる。東日本で初の4年制の鍼灸学科を持つ大学となる。各学部で国家資格をはじめとして各種資格を取得させる。各専門職が協力し合うチーム医療・チームケアを学べるプログラムがある。またトップアスリートや指導者の育成も行っている。総合医療系の大学として、スポーツと医療・福祉を融合した先端的研究もしている。数例の研究を紹介。その関連分野の研究力は、全国4位を誇る。2021年求人実績は、学生一人あたり単純計算で、約24.6人と高く全国各地からの求人を確保している。

2.「データで読み解く“年内入試”入学者の実態」

女子栄養大学 伊吹憲昭氏 全国的に、年内入試が増えてきている。本学内の年内入試の比率は、81.2%となり初めて8割を超えた。来年度の入学者選抜は、次の3通り。①総合型選抜 ②学校推薦型選抜 ③学力試験による一般選抜 ①②が年内入試。1年次の成績と卒業次の成績の3年間の推移を比べてみると、✓1年次は、総合型選抜と公募推薦の成績がやや低い。✓卒業時は、総合型選抜の成績が大きく上昇✓指定校推薦と一般選抜からの入学者の成績は、入学時も卒業時も高く推移している。

本学での国家資格及び教員採用と入学者選抜の関連結果を見ると、「年内入試」入学者の実態は①年内入試での入学者は、「目的意識」が高い傾向②年内入試の入学者は成績の伸びしろが大きい③入試区分による「国家資格合格率」の差はない!管理栄養士の国家試験では、全国一位合格率99.6%。「何入試」で合格したのではなく、「何を学び」に入学したのかを大切に育てていく。

3.「新指導要領における大学入試共通テストの検討状況」

大学入試センター 小野賢志氏 ※後述

第3部

会場に4つのワークショップのコーナーが設置された。※後述
①「『教える』という仕事〜変わる教師像〜」
 教育系YouTuber 葉一氏
②新教育指導要領SOS!「どうする『情報』」
 工学院大学附属中・高等学校長 中野由章氏
③新教育指導要領SOS!「どうする『歴史総合』」
  日世教育研究社 犬丸征一郎氏
④新教育指導要領SOS!「どうする『公共』」
 ドルトン東京学園中・高等部 大畑方人氏

第4部

紙面の関係で省略。 ※後述

※アロー総研所長・田嶋裕様のご厚意により各プレゼンテーションコーナーのアーカイブ動画のURLを、後日私塾ネットのメーリングリストを通じ共有させていただける許可をいただきました。