エリア報告|熊野 章恵 (映進・山口県)

みなさまお久しぶりです。

私塾ネット会員のみなさまとお目にかかることもできなくなりはや2年がたちます。
この間、新型コロナウイルスによる塾業界への影響はとても大きなものであったと実感しております。密を避けるために少人数制クラスに変更したり、オンライン授業を取り入れたり、保護者や生徒たちにご理解をいただくための懇談会をしたり…といろいろな対策を重ねてきました。

やっと感染者が減ってきて、これなら新年度は…と明るい希望が持てると思った矢先にまたオミクロン株をはじめとするコロナの増加。またしばらく辛抱の期間がやってきます。

前回の工夫を生かし、さらに工夫を凝らして立ち向かうしかないのでしょう。

先日、日米協会主催の講演会に出席し、講演者の若いご住職さんのお話を伺った際、その方の生き方は、私が子供たちに伝えるべきことを体現しているように思いました。

その若いご住職は子供の頃から自由のない家行は継ぎたくない、勉強もしたくないと思っていましたが、小学生の頃からアメリカに行きたいという願いだけは持ち続けていました。やがていやいや家業を継ぐための大学に進み,卒業後は宗教科のあるアメリカの大学に行きました。そのために英語の勉強もしました。沢山努力をしました。そこで出会った外国の仲間から住職には自由がないから何もできないという君の考えは間違っている。住職だからこそできるというものを探すのだと教わり、現在ではいろいろな活動をしていらっしゃるようです。

その方のお話の中で、他にも感銘を受けたことがあります。日頃贈り物をする際に何気なく使われている『つまらないものですがどうぞ』という日本語は、英語に直すとThis is a waste. これは無駄なものですとなります。この『つまらないものですが…』をみなさんはどう思われますか?と住職さんに聞かれました。私はつまらない物ですがとは絶対に言いません。その都度、喜んでいただける物を一生懸命選んでいるからです。

もし、自信のないときは『お口に合いますかしら』や『気に入っていただけるかが心配ですが』といいます。しかしこれは大きな間違いでした。その言葉の本当の意味とはComparing what I received from you.日頃あなた様にお世話になっていることに比べたらとても足りませんがお返しの気持ちですという意味を含む言葉でした。ただし、この『つまらない物ですが…』については送られたお相手側にも正しい意味の理解があって初めて成立するものであると言われてなるほどと納得した次第です。

100名あまりの著名人の参加者の中で正しく理解していたのはわずか3名だけでした。そのほかには『おかげさまで』や『すみません』についてのお話ありました。日本語の持つ意味の多様さを理解しておくことの大切さを痛感しました。

そして、目標を持つことがいかに大切であり、これが学習意欲にも大きく影響するのだという事を若い住職さんの体験話をもとに子供たちに伝えていきたいと思いました。