理事長コラム(75号)

仲野十和田(ナカジュク・東京都)

緊急事態宣言も解かれ、感染者も減ってきましたが、まだまだ安心できそうもないですね。地域によって、個人によって、コロナの捉え方は様々かと思いますが、それぞれの判断が正しいと信じて進んでいくことが、大事なことだと思います。

さて、私事ですが、9月末から3週間ほど「急性膵炎」ということで入院生活を送っていました。コロナの関係で、家族との面会、病院内のコンビニへの買い物も許されませんでした。12日間の禁食後、久しぶりに口にした流動食は味があるだけでありがたいもので、日ごろの「当たり前」に感謝の気持ちが溢れてきました。また、この機会に以前より興味があった「瞑想」にもチャレンジしてみました。現在は情報が蔓延し、常に頭の中で過去と未来のことを思考している状態と言えます。まだ、プラスのことなら良いのですが、湧き出るのは悩みの方が多いようです。自分の呼吸、聞こえる音、体に感じることに集中するのですが、簡単に「無」の状態になることはできません。当然、何か気になることが出てきたりもするのですが、一旦そのままにして、また「今」に集中します。「瞑想」は「今」に戻す訓練から始まります。最初は朝と夜、5分位から始めましたが、今は15~20分位行っていて、何となく頭と体がすっきりする感覚を得ています。今回の入院は自分を見つめ直す良い機会となりました。体も心も「解毒」を行ったようです(笑)。

話は変わりますが、毎年10月の終わりの3日間、ナカジュクでは「社員研修」を行っています。今年の1日目は3S活動(整理・整頓・掃除)、経営品質、障碍者雇用で定評のある、茨城のヴィオーラ(おしぼり屋)さんの方をお招きして、その意味をレクチャーしてもらったあと、3Sの実践も行いました。事前に「3Sで一番大事な仕事は『整理』、つまり捨てる作業なので、どんなものを捨てることになってもいいですか?」と確認がありました。実際始まってみると、教室長の葛藤は想像以上に大きかったようですが、途中で腹を括ったようです(笑)。「思い出のあるものは、感謝をして捨ててください。」と言われながら、その教室に関係のないスタッフが次々と整理し、指示に基づいて配置を変えていきます。それは見事な断捨離でした。もちろん、教室も綺麗になりましたが、スタッフが目標に向かって無心に仕事をしている姿にとても元気をもらいました。私は風水などよくわかりませんが、教室の「気」がガラッと変わったような感じを受けました。親御さんが来られたとき、教室が雑念としていたら、「自分の子どもも、同じように扱われてしまうのか…」と本能的に感じてしまうこともあるかと思います。そして、何よりも見えない心に磨きを掛ける前にまずは見えるものに磨きを掛けることが大切なことだと感じました。
スタッフ全員、体はくたくたになりましたが、顔はとても清々しかったです。

今年の収穫祭(いもほり)は、ここ数年で最も多い参加者でした。保護者の参加者も多かったことが印象的でした。日常に子どもたちの笑顔を見られる機会が少なくなっているので、それを求めているのが1つの要因だと思います。塾が、少しでも子どもたちの笑顔を見られる場所になれるといいですね。また皆様と元気にお会いできることを楽しみにしています。