全国研修10年の足跡①|我が心の師・上甲晃先生の教え 仲野十和田

第10回大会
仲野 十和田(ナカジュク・東京都)

奇しくも上甲晃氏を迎えたのは、2012年、私塾ネット設立10周年の会の時です。今回20周年記念もコロナの影響で1年延期となりましたが、10周年も東日本大震災の影響で同じことが起こっていました。上甲氏との出会いは、育英ゼミ(根室)の40周年記念式典でした。一番前で誰よりも背筋を伸ばして座っている姿、司会者からの紹介をうけて「ハイ!」と大きな声で返事をして登壇する姿は新鮮な驚きでした。翌朝ホテルの朝食会場で食事をしていると、入り口で「おはようございます」という元気な声が聞こえます。上甲氏でした。私はその場で、「そばで勉強させてください」と懇願し、上甲氏が主宰する「青年塾」に入塾させていただきました。「青年塾」は震災直後から積極的に支援活動を行っていました。松下幸之助氏が将来を憂いて日本のことを真剣に考える政治家を育てるために作った「松下政経塾」で10年間塾頭をされていた経験を活かし、民間の人に対して門戸を開いた塾がこの「青年塾」です。私は16期生、LAPIS鎌ヶ谷(エリア関東)の田中宏道先生は18期生で入塾しています。とにかく共同生活を「主体的」に送る訓練をしていきますが、今の学生たちに要求される「思考力」「判断力」「表現力」を鍛えてくれます。青年塾時代、上甲氏の言葉で私の心に強く残っているものがあります。

ある日、私は上甲氏に「感動を与える教育をしたいのですが、どんなことをすればよいでしょうか?」と質問しました。氏の答えは「姿勢よく勉強し、元気な挨拶ができ、人の話を良く聴くことを、これでもか!という位、徹底して行えば周りは感動するだろう。イベント事の感動はその場は大きな感動を得るかもしれないけど、すぐ薄れていくし、継続して行うことが難しいよね」というものでした。この言葉は『基幹学力』と位置づけ、自塾の教育指針になっています。

“Old be ambitious!”

「年よりが若者におんぶにだっこではだめだ!」と言って、今日も上甲氏は精力的に動かれていると思います。