特集|日本民間教育大賞授与される

私塾ネット会員、玉城邦夫先生、柳田晋治先生が同時受賞

報告:谷村 志厚(AIM学習セミナー・千葉県)

令和2年7月13日(月)、東京神田の学士会館で表彰式が執り行われた。本来は3月に実施される予定であったのだが、コロナ感染の影響で延び延びになっていたのである。7月中旬のこの日、おりから東京は連日200名以上のコロナ感染者が出ていた。会場は三密を避ける配慮から、定数の3分の1程度の70名に入場が制限されていた。出席者は全員がマスク着用でソーシャルディタンス、学士会館の荘厳な会議室には、少々違和感のある風景でもあった。

授賞式に先立ち、記念講演会があった。講演者は業界の初上場塾である学究社(創業時国立学院-現ena)の川端真一社長、テーマは「この先10年の学習塾業界を考える」。氏は自社のコロナ対策とオンライン授業の取り組みの紹介を皮切りに、コロナ騒動が業界に及ぼす影響を語った。業界への影響の実態は、上場塾の四半期決算が公表される8月に明白になろうとし、自社は昨年とさほど変わらぬ実績であると述べた。その後自塾の経営理念を熱く語られた。10年後の業界は、競争状態下で寡占化が進み中小が淘汰されるとしながらも、2年前のスプリックス(森塾)の上場の例を挙げ、まだまだ業界にはやり用によっては展開の余地があると語られた。

3時30分、壇上に5名の受賞者の皆さんが並ばれた。左から青木辰二、立木貞昭、玉城邦夫、西村道子(代理人)、柳田晋次の各氏。

このうち、最高功労賞を受賞された玉城、柳田の両氏が私塾ネット会員であることを誇りに思う。ことに筆者はこのお二人とはまことに縁が深い。ともに千葉学習塾協同組合の揺籃期の同志である。玉城氏が同組合の第2代理事長、続く3代目が小生そして柳田氏が4代目と続く系譜である。

主催者から賞状と盾が贈られ、受賞者はそれぞれの思いをスピーチされた。玉城氏は30余年に及ぶ塾団体活動を振りかえりつつ、塾の現役講師としての生きがいを語り、白寿まで教壇に立つ決意を宣言された。柳田氏は延2000名の海外留学派遣の実績とコロナ禍での現状の無念さを吐露された。そして「後継者の息子(靖浩さん)と受賞の感激を共有できたのは、この上のない喜びだ」と締めくくられた。

午後4時30分、祝賀会に席を移した。ここでも時節柄三密を避けるためブッフェパーティー形式を避け、人数を限定した着席形式の宴席が用意されていた。祝賀会は必要最小限に簡素化されたが、心のこもった落ち着いた祝宴となった。