閑話休題(71号)

編集長 谷村 志厚

令和2年も残すところ1月余り、コロナ感染の再拡大にともない、コロナとともに暮れようしている。コロナ感染には学習塾業界も大きな影響を被った。3月の学校一斉休業の衝撃からはじまり、つづく4月の非常事態の宣言に至って、抜き差しならぬ事態となった。ちょうど新年度生徒募集期に重なったせいもあり、同業者からは「生徒が増えぬ」という愚痴がよく聞かれる。景気刺激策としてGoToキャンペーンがなにかと物議を醸しているが、どなたか「GoTo塾」キャンペーンを提唱してくれないだろうか。

本誌では3名の方の追悼文を掲載した。いずれも私塾ネットに縁の深い方ばかりである。平林さんは私塾ネットの前団体の一つ、PTFの最後の理事長として新団体誕生のきっかけを作られた。大沼さんは私塾ネットの経歴は浅いが、全国学習塾協会の役員として広く活躍をされていた。實吉さんは東京私立中学高等学校協会の副会長を長く務められた。私学の先生方の中では、塾業界との交流がもっとも深い方であった。進学相談会といった塾と私学の連携行事の嚆矢であり、この方の功績が大きい。いずれも長きにわたり私塾の発展に寄与された方ばかりである。合掌。