エリア四国 湯口哲朗(71号)

エリア四国 湯口 哲朗(湯口塾・香川県)

「新型コロナと授業への影響について」

全世界的に広がった新型コロナウイルスは私たちの生活にも多くの影響を与えました。塾業界においても、3月から5月にかけての営業自粛によって通常授業ができなくなり、新たな営業形態を模索せざるをえなくなりました。その際に、私塾ネット関東の先生方より、ZOOMを使ったオンライン授業についての勉強会にオンラインでお誘いいただきました。お陰様で、ZOOM授業を実施するにあたってとても参考になりました。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

私どもの塾は四国の片田舎にあるため、都市部、特に関東圏での状況は、報道されたもの程度の情報しかもっていません。ここでは、地方から見た新型コロナによる塾業界からの一例をお伝えできればと思います。

四国では、新型コロナに対する学校や保護者の対応は、3つのタームに分けることができます。

第1は、2月から5月にかけての「パニック期」で、授業を行うかどうかや、休塾の問い合わせが一番多い時期でした。そのピークが4月中頃からの営業自粛要請の時期で、当塾では親しい塾の先生方とオンライン授業の行い方について情報収集し、授業の再開方法についてあれこれ試行錯誤していました。新中学1年生の募集については、例年、年末年始に行うため、募集への影響が一部だけで済んだので、個人的にはとても助かりました。

第2は6月から8月にかけての「感染拡大期」で、周囲で感染が広がる中、いかに感染を避けつつ営業を続けるかに注力していました。当塾では、一部の教室を完全オンライン化し、ZOOMを使った一斉授業を1か月間実施したり、短くなった夏休みの中で、できるだけ効率よく夏期講習の時間を確保するため、YouTubeを使った配信授業の準備をしたりしました。これによって欠席者の振替授業をしなくて済んだだけでなく、授業の見直しをして復習をすることができたと、生徒や保護者の方だけでなく、職員の間でも好意的な反応を頂きました。感染対策を万全にし、それを保護者の方に積極的にアピールすることで、ほとんど休塾の問い合わせなく教室での生授業を続けることができたのは、本当にありがたく感じました。

第3は9月以降より、11月現在に至るまでの「共存模索期」で、感染拡大を防ぎながらも授業の遅れを取り戻し、受験勉強を進めています。幸いなことに、GOTOトラベルによる感染再拡大もあまりないため、授業を続けることに対する要望がとても多く、いつもよりも途中入塾希望は少し増えているように感じます。あとは新年度の募集に向けて、校門配布をせずにいかに効率的に確実に告知をしていくかが課題で、塾内でいろいろと対策を考えている状況です。

この冬も、引き続き厳しい状況ですが、授業の遅れに対する不安や学習指導要領の改訂など、塾への潜在的な需要はいつも以上にあると考えています。新型コロナに負けることなく、お互いにがんばりましょう!