センターより|事務局通信

事務局長 中村 庸彦(中村学院)

この度、鈴木正之先生のあとを受けまして、事務局長となりました中村庸彦と申します。現状、何ができるのか模索中でございますが、これからよろしくお願いいたします。

さて、この世界的なコロナの動きの中、オンラインでの可能性を各分野が探しております。やはりというかさすがというか、その中で素早かったのはエンタテインメント分野。特に音楽は現状の配信という形が大きい要素となっている中で“stay home”で出来ることの多さと対応の事前の準備状態はかなり優位だったと思います。日本でもオンライン上でオーケストラの方の演奏を1つにして配信していたり、無観客でのライブを配信したりしていました。海外に目を向けると、オーケストラはもちろん、ローリングストーンズやビリージョエルなどはかつてのライブ映像を配信していました。この機会に改めて音楽に触れることが多くなった人も少なからずいらっしゃったのではないでしょうか?

かく言う私もそんな一人で、先日テレビで「Lean on me」と言う曲を聴きました。元はソウルミュージシャンのBill Withers が1972年に発表した曲です。今回はジャスティンビーバーやアヴリルラヴィーン、サラマクラクランなどのカナダのアーティスト達が集まって、自宅での演奏と映像を使いチャリティソングとして配信していました。優しく、美しい楽曲を、ある人は力強くある人は滑らかに歌い上げている姿はかつての「We are the world」のようです。そして、映像の中で各アーティストがスケッチブックなどに手書きでメッセージを伝えていました。その中には医療機関で働く人への感謝や全世界の人々への励ましもと共に、カナダという国に住む人への共に乗り越えようという言葉も綴られていました。

こう言った苦境にさらされると、自分の環境や状況と異なるものに対し、むやみと批判や中傷を浴びせてしまうことも多くなってしまいます。偏ったナショナリズムは賛美されるものではありませんが、自らが住む国と共に住む人々への思いやりを持つことは今の世界だからこそ大事だと考えます。自分の身近な人はもちろん大切ですが、今まで意識してこなかった共に生きる人々に対し、どう接することができるのか?世界が混乱する今、一つ、意識の転機を迎えているのかもしれません。題名の「Lean on me」は「私を頼って」との意味です。自塾の生徒にはこのメッセージにはこの言葉が意味を持つかと思いますが、将来は皆様に向けてもこの言葉を胸を張って言えたらと思っております。