理事長コラム(83号)

田中 宏道(LAPIS鎌ヶ谷・千葉県)

日々是好日。学習塾業界を取り巻く動き。最近の学習塾業界の動きについてQ&A形式でまとめてみました。

全国塾コンソーシアム協議会の解散(予定)

Q.「全国塾コンソーシアム協議会(以下コンソーシアム)」って何ですか?

A.学習塾への消費者やマスコミ、行政からの要望や要請、そして問い合わせが増えています。学習塾業界全体としてそうした要望・要請に適切に対処するために、全国的な規模の塾団体や民間教育団体が連絡・協議を行う「場」として設立されました。2015年(平成26年)4月8日のことです。年2回の会合を行っています。私塾ネットとしては当時、谷村志厚会長(当時)が設立総会に出席してくださいました。

Q.「コンソーシアム」にはどの団体が所属しているのですか?

A.全国的な規模もしくは規模の大きい塾団体や民間教育団体で、それぞれおよそ100前後以上の会員がいる団体です。

NPO法人学習塾全国連合協議会/学習塾団体合同会議/関西塾団体協議会/私塾協同組合連合会/公益社団法人全国学習塾協会/全国学習塾協同組合/全日本私塾教育ネットワーク/千葉学習塾協同組合/一般社団法人日本青少年育成協会/民間教育連盟、以上10団体(50音順)

私塾ネットは田中もしくは仲野十和田理事長代行が出席し監査役を務めています。また鈴木正之会長は学習塾団体合同会議の代表として出席しています。

Q.「コンソーシアム」は今まで何をしてきたのですか?

A.最近では、新型コロナウィルス感染症への対応、日本版DBS制度の民間教育への適用を各省庁に訴える活動のために手を取り合ってきました。

Q.「日本版DBS制度」って何ですか?

A.教育現場での盗撮や性被害が問題になっています。国は児童生徒に接する学校の教職員に対して犯罪歴のあるものを解雇し、さらに他の学校に再就職して再犯を繰り返さないように検討、法整備を進める準備をしています。イギリスのDBS(Disclosure and Barring Service 前歴開示・前歴者就業制限機構)を参考にしています。

Q.「日本版DBS制度」の問題点は何ですか?

A.学校を追われたものが塾やスポーツクラブなどに再就職して犯罪を繰り返すことです。学習塾など民間教育機関に再就職して再犯を繰り返されては困ります。だから民間教育機関もこの犯罪歴の個人情報にアクセスできるように公益社団法人全国学習塾協会(安藤大作会長)が中心となって国の省庁や元大臣級の方々に要請してまいりました。

Q.他にも問題点があるようですね。

A.はい。2つあります。まず、繊細な個人情報に触れるため個人情報を絶対に漏らさないと約束でき、漏らした場合の罰則に対応できる団体しかアクセスできないかもしれないというのが1つ目です。そのまま法律になるとアクセスできる塾とできない塾の2分化が進みます。それを塾として広報もするでしょうから親御さんがアクセスできる塾とできない塾で塾の選別をしてしまう恐れがあることです。ちなみに法人ではない塾はアクセスできないようです。
2つ目は塾業界・民間教育業界が多くの団体に分かれていて省庁に掛け合っても相手にしてもらえないことです。コンソーシアム協議会があると言っても、横並びの結束力の弱い機関であり国が認める1つの団体として認知してもらえていません。省庁や公的機関に学習塾業界の意見がなかなか通らないことです。

Q.「コンソーシアムの解散」がどう関係するのでしょうか?

A.これまで私塾ネットの初代理事長であられた故山口恭弘先生を中心に諸先輩方は学習塾が公的に認知されることに並々ならぬご努力をされてきました。これからはそれをさらに発展させ省庁や公的機関に強い意思表示ができ、省庁や公的機関に正視して相手にしてもらえる業界になるために、連携を密にとった一体感を増せる組織を作らなければなりません。そこで横並びの結束力の弱い機関としての「コンソーシアム」を発展解消する話が出てきたのです。

Q.「コンソーシアム」を発展解消してどうされるのですか?そして私塾ネットはどうするのですか?

A.「コンソーシアム」に参加する10団体全てが、現在省庁や公的機関の窓口となっている公益社団法人全国学習塾協会(JJA)の団体会員に登録し、対外的に業界をとりまとめる1つの学習塾団体としてコンソーシアム協議会がやっていた業務を引き継ぐという案が出ています。各団体は概ね賛同を示しています。それぞれの団体に持ち帰って検討中です。「日本版DBS制度」に対処するためにできるだけ早く団体会員登録する必要があります。最終期限は来年4月です。私塾ネットでも早急に検討してまいります。

Q.「公益社団法人 全国学習塾協会(JJA)」の団体会員に登録すると「私塾ネット」の会員塾も「公益社団法人全国学習塾協会(JJA)」に登録されるのですか?

A.いいえ、まったく違います。「私塾ネット」という1つの団体が「全国学習塾協会(JJA)」に登録されるだけで各塾は登録されませんし、「全国学習塾協会(JJA)」の拘束を受けるもこともありません。また私塾ネットの活動の自由を奪うものでもありません。あくまでも業界が1つにまとまっていることを対外的に示すための団体登録です。

以上です。少し固い内容になりましたが、最近の業界の動きを知っていただきたく記しました。ご意見ございましたら私塾ネットセンター事務局までお願いいたします。

(参考)塾と教育2015年5月1日記事、AJC(全国学習塾協同組合)通信165号、コンソーシアム 配付資料

秋はここぞとばかりに業界の行事が連なります。。。(^_^)

日記メモのようにざっと並べてみました。
●10月1日(日)千葉学習塾協同組合(JAC)主催スクールフェア(中高相談会・千葉幕張)どういう訳かJACの理事に復活しちゃいました。朝8時半からお手伝いです。夜10時過ぎまで飲みました。
●10月2日(月)お袋の見舞い。シネマ歌舞伎「野田秀樹 桜の森の満開の下」鑑賞。
夜、自塾スタッフの慰労25時まで飲む。
●10月3日(火)お袋の見舞い。自塾の仕事以外のことが少ない珍しい日。保護者向け火金メール。生徒のノートチェック。生徒面談。授業。歴史講座のダイジェスト動画配信。
●10月4日(水)お袋の見舞い。歴史講座前日作業。生徒面談。授業。翌日の歴史講座に備え東京大井町に向かい前泊。
●10月5日(木)「塾人のための歴史講座・大和朝廷と東アジア」。藤岡先生と昼食会。
授業。歴史講座の録画編集依頼。
●10月6日(金)千葉学習塾協同組合(JAC)理事会。自塾スタッフミーティング。
保護者向け火金メール。生徒面談。授業。翌日の中3授業準備。
●10月7日(土)朝10時~夜9時30分まで中3の授業。おつかれぇ~。
●10月8日(日)全国塾コンソーシアム協議会(東京八重洲)。教室に戻り期末テスト対策学校別補習スケジュール途中まで作成。自塾スタッフの慰労。25時まで飲む。
●10月9日(月・祝)「塾の日」東京一ツ橋。式典、記念講演、懇親会。その後、正之さん・十和田さん・長江さんと4人で飲み。広島の西本先生を誘わずに深く反省。
●10月10日(火)お袋の見舞い。火曜日は比較的落ち着いていますね。保護者向け火金メール。生徒のノートチェック。生徒面談。授業。歴史講座動画についてのやりとり。テスト対策スケジュールの続き。
●10月11日(水)千葉の先生と打ち合わせ(千葉船橋)。生徒面談。授業。「塾と教育」の座談会予習。
●10月12日(木)「塾と教育」の座談会(東京市ヶ谷)。私塾ネットセンター役員会(オンライン)。私立高校の先生がいらして情報交換。授業。
●10月13日(金)自分の健康診断。お袋の見舞い。卒業生就職先決定の挨拶に来てくれる。スタッフミーティング。「塾と教育」の歴史講座記事校正。保護者向け火金メール。授業。エリア四国の研修会についてやりとり。歴史講座の動画配信。中3授業準備。
●10月14日(土)高校同期会(幹事・司会、千葉幕張)。昼から23時まで飲む。
●10月15日(日)日本が好きになる歴史講座受講(東京池袋)と懇親会。さすがに早く帰って早く寝ました。。。
●10月16日(月)教育経営研究会(東京丸の内)夜教室に戻りテスト対策スケジュールの続き。自塾スタッフの慰労24時半まで飲む。
●10月17日(火)お袋見舞い。テスト対策スケジュール原案完成。保護者向け火金メール。授業。
●10月18日(水)テスト対策スケジュール修整。授業。保護者面談スケジュール。スタッフスケジュール。
●10月19日(木)スタッフミーティング。テスト対策スケジュール修整。授業。保護者会資料作成途中。テスト対策期間教室割。
●10月20日(金)千葉学習塾協同組合(JAC)第三支部会(千葉流山)。保護者向け火金メール。生徒面談。授業。「塾と教育」座談会記事校正。

日々是好日。(^_^)