表紙の花こ・と・ば(78号)

クレマチス ドクターラッペル(キンポウゲ科クレマチス属) 

和名は鉄線(テッセン)、風車(カザグルマ)。いずれもこの花姿からの命名であろう。針金のような細い蔓に、風車のような大きな花弁を思わせる、萼(がく)が際だつ花だ。ドクターラッペルは、クレマチスの中ではもっともポピュラーな品種らしい。で、ドクターラッペル?その名の由来は、植物に関する膨大な知識を有していた、アルゼンチンの医師Dr.Ruppel という方が語源らしい。

植物学者と言えば、わが国では牧野富太郎氏の右に出る方はおられまい。1957年に94歳で亡くなられているが、生涯を通じて残した植物標本は40万、命名植物は1500種を数えるそうだ。

牧野博士は含蓄ある言葉を残されたことでも有名だ。「雑草という名の植物はない」はいかにも植物命名学者にふさわしい一句だ。そして「花は、美点に満ち満ちた生殖器で、動物の醜悪なそれとは雲泥の差」とはなるほど納得。ちなみに博士は13人の子沢山であられた。

ところで、来年のNHKの朝ドラは、牧野博士をモデルにした「らんまん」と言う作品だそうな。(志厚)