エリア東北 佐々木 康(83号)

エリア東北 佐々木 康(やまばと学習館・青森県)

当館が正会員で所属している「青森県私塾教育研究会※」では、現在、入試情報誌「Create’23」の制作が行われております。本誌は青森県立高校入試のしくみや、津軽地域(弘前市周辺)の高校のボーダーライン、そして会員自らつくる「昨年の入試分析と今年度の予想問題」を掲載しています。

※青森県私塾教育研究会HP https://aomoriken-juku.jp

昨年度に引き続き、私は社会の分析および予想問題を執筆させていただきました。昨年のエリア関東年末研修会においても社会の教材のお話をさせていただきましたが、ここ最近は社会科の分析を塾内での活用だけではなく、色々な方々に見て頂くことが増えており、また一段と、ぐっと身を引き締めての執筆でした。

昨年度の青森県立高校入試の分析については、やはり全国の入試同様に『資料活用(読解力)』と『記述問題(表現力)』が求められる問が年々増えていることが分かりました。平成30年では各分野の資料問題が、地理13題中5問、歴史14題中2問、公民13題中3問、3分野総合問題6題中だったものが、昨年の入試では、地理4問増、歴史4題増、公民1題増、総合2題増と、いずれの分野でも増加傾向にあります。特に『複数の資料を見ながら、問いに即した形で簡潔に表現する記述問題』が多く、難易度は全体正答率4割を切るものが多いのが印象的でした。

この分析を受けて、今年度の入試予想問題では、『複数の資料から求める答えを読み取り、簡潔に答える記述問題』、さらに『SDG’s』と、『ご当地問題(青森県の産業に当てはめた問題)』に絡めた問題を作成しました。SDG’s関連では、昨年度青森県入試でも「エシカル消費」が出題されました。注目テーマとして、フェアトレードについての問を作成。また、ご当地問題では青森の郷土料理「いちご煮」(八戸沿岸で養殖されるウニ・アワビの吸い物)の材料の要則に適した場所について取り扱ってみました。難易度としては難問ではありませんが、初見の資料を見て、自分の頭の引き出しから必要な知識・情報をパッと引き出せるか、そして「なぜ?」・「何のために?」・「どんな目的で?」・「どうやって?」を考え簡潔に表現できるか、受験生のトレーニング問題となればと願います。

今後もこのような機会を大切にしながら、全国の入試問題にも目を通して分析をし、受験生のためになるような指導および情報提供を続けていきたいと考えております。