
エリア四国 寺嶋 謙次(学習院セミナー・香川県)
新・共通テストの英語(リーディング)では、合計6000ワード程度の英文を読まされます。具体的には、下の英文(2025年共通テスト英語リーディング第8問の一部)を1分間で読むスピードが要求されます。

そのためには、「英語を英語のまま理解できる(日本語に訳さない)」ことが必須条件です。今回は、「英語を英語のまま理解できる」ことを当然の前提とした上で「英文を詠むコツ」をお話ししたいと思います。
英語的論理(思考)
いきなりですが、次の3つの文章のうち、英語にした場合に最も自然な文章はどれでしょう?
①宇宙船からのCO2排出量は莫大だし、宇宙ゴミが宇宙環境に深刻なダメージを与えているので、宇宙探査と環境問題は切り離せない関係にある。
②宇宙探査と環境問題は切り離せない関係にある。なぜなら、宇宙船からのCO2排出や宇宙ゴミの問題があるからだ。それに、宇宙にはいつまでも美しくあって欲しいからだ。
③宇宙探査と環境問題は切り離せない関係にある。なぜなら、宇宙船からのCO2排出量は莫大だし、宇宙ゴミが宇宙環境に深刻なダメージを与えているからだ。
答えを言うと、最も英語らしい文章は③で、次が②、最も日本語らしい文章が①です。
OREOの構造
アメリカでは、小学生の頃には、文章をOREO(オレオ)で書くように指導されます(最後のOpinionは必須ではないので、実際にはOREの構造の英文が非常に多いです)。


英語は、まず自分の意見を主張します。結論が先です。だらだらと前置きをする前に、自分の主張をはっきりさせる文化です(文章③)。
他方、謙遜文化のある日本では、自己主張が強すぎると否定的な印象を持たれるおそれがあるので、意見を述べる前にまずはやんわりと理由や具体例などの説明から始めるのが一般的です(文章①)。
なお、日本語では「理由・例」を述べる際に「個人の体験に基づく理由や例」を引用するケースが非常に多いです(主観的)。日本人は同じ価値観を共有しているとなんとなく信じているので(空気)、主観と客観の区別があいまいです。他方、欧米では、人それぞれの価値観が異なることが当然の前提なので、客観的な理由や例をあげないとみんなが納得しません。個人的な理由や例を述べてしまうと「それはあなただけでしょ?」というわけです。
したがって、文章②は「型」は英語的ですが、理由として「宇宙にはいつまでも美しくあって欲しい」という主観的な理由を使っているので日本語的です。
OREOで読む
それでは、このOREOを使って、冒頭の英文を読んでみましょう。ここでは、わかりやすく日本語訳を使って説明しています。
(意見・主張)あなたは宇宙探査と環境問題を直接関連させて考えようとはしないかもしれないが、関連はあります。
(理由)第1に、宇宙船のCO2排出量は無視できないものです。
(説明-具体例)1回の宇宙船の打ち上げで、200~300トンのCO2やその他の有害ガスが地球の大気に排出されると推定されています。宇宙に送り出される宇宙船はますます増えており、地球に悪影響を及ぼしています。これらの宇宙船のCO2排出による温室効果により、地球の温度が上昇しています。
(理由)第2に、宇宙探査は熱圏(地球に近い宇宙環境)に悪影響を及ぼしています。宇宙船や人工衛星の廃棄部品であるスペースデブリの量が増加しています。
(説明-具体例)NASAの推定によると、現在、熱圏にはソフトボールよりも大きく、最高時速28,000kmで移動するスペースデブリが約23,000個あります。これは将来の宇宙飛行に危険をもたらし、天文観測の障害となる可能性もあります。
このように、英語の論理的な文章はOREO型になっています(この場合、OREですが)。ということは、どこに何が書いてあるのか、内容を読む前に予測できるということです。この文章の場合、OREOを使えば30秒以下で読むことができます。
なお、今回は単独のパラグラフ(段落)の文章でのOREOを紹介しましたが、複数のパラグラフで構成される場合(長文)も全体はOREO構造になっています。
