文:長江 広紀(英数学院・神奈川)
エリア関東とNPO学習塾全国連合協議会東日本ブロックとの共同開催となった、春の合同研修会が令和3年6月20日にお茶の水のワイム貸会議室で行われました(後援:千葉学習塾協同組合・東京私塾協同組合・埼玉県私塾協同組合)。今回のテーマは、「動画コンテンツ くらべてみたらこうなった!」。今年度中学校の教科書が改訂され、それに伴い動画コンテンツを取り込んだ教材が多数刊行されました。しかし、導入に躊躇している学習塾も多いと思います。そこで動画コンテンツをお持ちの教材会社さんにコンテンツの特徴、使用法、導入事例などを紹介していただき、これからの塾運営に生かしていただけたらという思いで企画しました。なお、コロナ禍ということもあり、ZOOMでの参加も受け付け、エリア中国からは西本代表も参加されました。今回は紙面の関係で、学習塾を運営する傍らICTコンテンツを開発し自塾に取り入れている(株)UNIVATION湯浅浩章代表(ユニバースクール 神奈川県川崎市)の話を中心にレポートします。
この日のメインともいえる(株)UNIVATIONの湯浅先生に期待したのは、「学習塾にICTを取り入れる難しさ」について話して頂くことでした。現在湯浅先生が運営するユニバースクールは初め電子黒板を取り入れたそうです(2015年~)。湯浅氏自身、「映像授業は半信半疑だった」そうです。あくまで現場主義だそうです。時代の変化の伴い、2016年から理・社の映像授業、2017年から5科目で映像を取り入れ、i padで勉強できるようにしたそうです。時代が変化するのに、塾では授業のスタイルが変わらない。未来のために「僕たちが変わらなくてはいけないのではないか」と考えたそうです。自社で「ユニバープラス For School」を開発。eトレ(教育開発出版)やStudy Plusも取り入れました。
ICT教材を取り入れることによって、生徒の成績は上がるのか? 湯浅氏は「先生次第で変わる」と仰いました。ICT教材で集客につながるのか? これも先生次第だそうです。しかし、ICTと取り入れることによって、塾力がアップし、よりユニバースクールらしくなったと言います。英・数・国・理・社以外にキャリア教育を取り入れたそうです。湯浅氏の信念は「コミュニケーションこそ、塾の価値がある」。「ユニバープラス For School」もコミュニケーションが生まれる発露にしたいそうです。学校でも家庭でもない、学習塾を新たな「居場所」へ。「安定=衰退だなと考えている」という湯浅氏。その後、カスタマーサービス桑野圭介氏より、「ユニバースクール For School」の紹介がありました(イントロ(授業を見る)→シャッフル(問題演習)→確認テスト→採点という流れだそうで、コミュニケーションを取りながら進めることができるそうです)。
柳田浩靖先生の紹介で知り合い、「これは私塾ネットに入会を勧めねば(笑)」と思った私は、ZOOMで知り合った2日後にユニバースクールへ入会案内を持ってアポ無しで伺いました(笑)。というのも、私の塾からユニバースクールは20分の距離(3駅)。「近いから是非遊びに来て下さい」という社交辞令かも知れない言葉を真っ正直に受け取った私は、授業の見学もできればという下心で宮崎台まで行きました。ご多忙の湯浅氏は留守で入会案内書と書き置きだけで帰りましたが、20日の研修会後「入会申込書を後日FAXで送りますから」と。社交辞令でなければ良いのですが(笑)。授業で読書の時間を設けていたり、YouTubeを用いて集客につなげていたりと刺激になる取り組みを行っているので、是非ホームページを見てみてください。
次に登壇したのは好学出版…のはずでしたが、パソコンのトラブルで中断。この日我々運営側を数々の機材トラブルが襲いました。会場でプロジェクターに画像を映しながらZOOMでWEB上に流す。4月の全国研修会の成功は奇跡だったのだなと改めて思いました。会場では謎のハウリングが起こりますし…。順番を後にして欲しいということで育伸社になりました。課長代理・東京営業所長の吉田康孝氏により「育伸社の動画配信の取り組みについて」のプレゼンが行われました。コロナで対面授業ができるか分からないという状況の中で「動画を用意してもらえないか」という声があり、「iワーク動画サービス」を今年から用意したそうです。
無事PCが復活して、好学出版営業部課長・國分雅道氏より「映像コンテンツ、効果的な活用方法のご提案」と題して講演。使う先生の力量次第、うまくいっている塾とそうでない塾に分かれる、映像授業では生徒が集中できない…という声も真実だと思う、とのことです。これからは、先生は「教える」という役割より「モチベーションを上げる」存在になっていくのではという言葉が印象的でした。
エデュケーショナルネットワーク千葉営業所所長相川大樹氏からは「オプティマススタディのご案内」が。問題数13万5千題で、進捗状況を管理できるそうです。いずれにしても生徒だけに任せるのは難しいとのこと。先生による進捗管理が不可欠とのことです。この頃から、司会を担当していた私は時間が気になり始めました。会場をお借りしている時間が確実に過ぎそうな予感がしてきました。相川氏の話しぶりは、この日随一だったと評判でした。
日本教材出版 東京営業所所長 吉田勇二氏からは「通常授業に取り込めるActive Study 映像授業のご紹介」。私の塾も、「Active Study」を使用しています。時間が押していたので、説明の多くをカットして頂きましたが、日米文化学院の授業風景が紹介されました。教材を導入すれば、映像授業は費用がかからないというのが良いです。4技能対策に皆さんの塾でもいかがですか。
おおとりは教育開発出版 東京第二課 課長代理 五月女大樹氏。「動画コンテンツ・ICT教材の紹介と活用法のご提案」。しかし、悲劇が…。ここまで多くの機材トラブルなどで、時間超過していて短時間の説明を強いられる状況で、PCの画像が会場のプロジェクターに映らないというアクシデント。対応に追われましたが、結局会場には映らず(ZOOMでは映っていました)、仕方なくZOOM参加者に向けて講演して頂きました。会場参加者の皆さん、申し訳ございませんでした。教育開発さん、申し訳ございません。しかも教育開発出版は私塾ネットの賛助会員!今度、必ずお時間を取らせてください!eトレがStudy Plusと連携したそうです。スタプラ、私も気になっています。皆さん、生徒の自律を促す教育開発出版の教材をよろしくお願いします!
最後に私塾ネットの賛助会員であります、(株)サンケイワークの橋本光幸さまがはるばる大阪からいらして、自社製品の「クリスタルイオン」の紹介をなされました。これは、水で空気を洗うという新発想の水をフィルターとする空気清浄機で、水微細ミストを室内に放出し、空気中の花粉・菌・ウィルス・PM2.5・ホコリ・カビ胞子・ホルムアルデヒド・NOxなどをを吸着し、本体に回収または落下させ、同時に脱臭・保湿もフィルター交換なしで実現する画期的なものです。歯科医院や学習塾の教室などでの使用実績があるようです。ご興味のある方は、「サンケイワーク クリスタルイオン」で検索してみてください。私塾ネット会員価格もあるということです。
次回はコロナを気にせず対面のみで研修を行いたいですね。