エリア東北 佐々木 康(90号)

エリア東北 佐々木 康(やまばと学習館・青森県)

 三月に入り、青森でも少しずつ春の気配が感じられるようになってきました。とはいえ朝晩の冷え込みはまだ厳しく、通学路の脇には雪の壁が残っています。日差しの中にわずかな暖かさを感じるこの季節は、受験生にとっても一つの区切りの時期です。

 今年度の青森県立高校入試も無事に終了しました。試験を終えて教室に戻ってきた生徒たちの表情には、安堵と少しの緊張が入り混じったような様子が見られます。合格発表はこれからですが、まずはここまで努力を続けてきた受験生たちに「お疲れさま」と声をかけたい気持ちになります。

 今年の入試問題を見て感じるのは、ここ数年続いている「思考力」を重視した傾向が引き続き見られたということです。国語では文章量が比較的多く、内容を整理しながら読み取る力が求められました。数学では基本的な計算力に加え、条件を整理して考え方を積み上げていく問題が目立ちました。理科や社会でもグラフや資料を読み取りながら答える問題が多く、単なる暗記ではなく知識を活用する力が問われていたように感じます。

 志願倍率については、学校や学科によって差が見られました。県内の進学校ではおおむね1.2倍前後の倍率となるところが多く、例年通り一定の人気が集まりました。一方で、地域や学科によっては1.0倍前後、あるいはそれを下回る学校も見られ、進路選択のあり方も年々多様になってきている印象です。教室でも、生徒や保護者が倍率表を見ながら最後まで悩む姿があり、進路決定の難しさを改めて感じる場面もありました。

 こうした入試の流れを見ると、日頃の学習の中で「なぜそうなるのか」を考える習慣を身につけることの大切さを改めて感じます。問題を解くだけでなく、文章を読み、資料を見て、自分の言葉で整理する。そうした積み重ねが入試の場面でも力として表れてくるのだと思います。

 間もなく合格発表の日を迎えます。結果はそれぞれですが、受験に向けて努力してきた経験は必ず次の一歩につながります。春の訪れとともに、生徒たちがそれぞれの新しいスタートを切ってくれることを願っています。