「理事長」係の活動報告 其の3
自由学園 訪問記
2024年(令和6年)10月23日(水)12:30~15:00
懇親会18:00~20:00
賛助会員の「自由学園」さま。上甲晃さんの「志ネットワーク」を通じてもお付き合いのある旧知の更科幸一先生が今年4月に学園長に就任されました。そのお祝いを兼ねて見学会を企画させていただきました。
学園長に就任されたことを知ったのは7月9日(火)に東京大井町、鈴木正之会長の「いぶき学院」で私塾ネット広報発送作業のときでした。仲野十和田副会長が自由学園の「学園新聞」を持ってきてくださり、それをじっくり読んで知ったのです。
今回は仲野さんが会長である「進路指導研究会(進路研)」との共同イベントとして開催いたしました。
参加者は、賛助会員「国際高専(金沢)」の高田さんを含めて私塾ネットから6名。千葉学習塾協同組合(JAC)から1名。進路研からは教材会社の育伸社2名の方を含めて3名(私塾ネットと重複している方を含めると7名)。今はルートマップマガジンの記者をされている旧知の片倉さんもいらっしゃってくださいました。
東京池袋から西武線急行で15分ひばりヶ丘駅。閑静な住宅街を歩いて10分程。
都市部近郊にありながら「東京ドーム2.1個分」の自然あふれる広大なキャンパス。生徒全員並んでもまだ間が広い大芝生。木工所。野菜や花を育てる畑。ドジョウの養殖所。東京都の指定有形文化財になっているさまざまな教室棟。
その他に那須の農場。埼玉にある山何個分???植林地。
百聞は一見に如かず。古いんだけど美しい! 昭和初期の映画の中の学校???
別世界。中学部のチャイムは番木(木の板を木槌で叩く)。高校部のチャイムは生徒の鳴らす鐘(♪あの鐘を鳴らすのは あなたぁ~♪♪)。
食事当番の生徒が全員分の食事を作り食器洗いまでやる。中学部の男の子たちが厨房で楽しそうにカラの大鍋を振り回していました。(^_^)
高校部は高校部の当番が作ります。
放送設備はありません。食事中に生徒が代わる代わる前に出て連絡事項を伝えます。肉声です。今年から新しく共学になったので制服もまだ決まっていません。私服の子もいればジャージの子もいる。高校生は「なんちゃって制服(制服っぽい服装)」の子が多かったです。制服は生徒が話し合って決めるのだそうです。まだ話し合っている最中だそうです。先生はサポート役に徹します。
昨年までは男子部と女子部に分かれていました。女子部では食事ではテーブルに肘をつかない、品のないおしゃべりはしないなど伝統的に形成されたルールがありました。
その躾が身についた中2~高3の女子生徒は突然共学になって、男子生徒のだらしなさに辟易したそうです。やっぱり共学は嫌だ!という意見も相当出たそうです。
訪問したのは10月下旬ですので、女子生徒は男の子を躾けなければならないと「食事時のルール」を教え込んでいるようです。それも生徒たちの「どうすれば自分たちの問題を自分たちで解決できるか?」という活動から自然と(裏では先生のサポートが相当あるでしょうが。。。)生まれたことのようです。
その点、中学1年生は最初から共学なので屈託なく学校生活を送っているとのことです。
高校1年生の女の子2人が学園内を案内してくださいました。
「最近良かったことは何?」って聞いてみました。学校のリーダーたち(生徒会役員)は年に3回変わるそうです。自分はみんなのために何をしたいか何を創りあげたいかを宣言するそうです。今回のその宣言に体が震えるほど感動したと話してくれました。
その宣言、ぜひ聴いてみたかったです。
更科先生にその話をしたら今後はビデオに収めておいて、学校見学や説明会に来てくれた方々にお見せできるようにすると仰っていました。
1人の子はおじいさまの薦めがあって北海道から自由学園に、もう1人の子は去年の合同学校説明会で自由学園に出会って「ここしかない!」と決めたそうです。
「学園をひとつの社会として、生徒自身が作る自治」
ルールって何? 未来をどう創る? 自由と好き勝手って何が違う?
学校は何のためにあるの? なぜ学ぶの? 普通ってどういうこと?
話し合いに意味はあるの? どうしたら認め合えるの? 多数決でいいの?
根源的な問題を一つ一つ考えながら行動を決めていきます。
「知識だけでなく経験する。そして実感する。
肌でサステナブル(持続可能)を感じます」
学校は大きな家族です。お互いに食事を作る世界一の給食。農作物の収穫の喜びは想像以上です。
「学校だけが学ぶところではない」
日常全てが教育です。
「自分の生(いのち)を経営する学びから始めよう」
自由学園の創立者 羽仁もと子さんの言葉です。
自分の生(いのち)は自分で切り拓く。自分の生(いのち)を自分のために使う。
自分の生(いのち)に責任を持つ。
自分の生(いのち)が大切であるから相手の生(いのち)も同じように大切なんだ。
高2、高3生は「飛び級社会人」訪問した日はその初日と重なっていました。
週に1回4ヶ月間もの間、職場体験に行きます。お世話になる45の企業・団体様をお迎えして学園内をご案内。交流を図っていました。ちょっとやったで終わらせない超本格インターンプログラムの初日でした。
この仕掛け人は更科学園長。さすがアイデアマンです。
こんな学校だからさっきの女の子が「ここしかない!」と言ったのも大きく頷けます。
懇親会には仲野さんと私、そして学園からは更科先生と広報室の3人の先生方がいらっしゃってくださいました。
テーマは「自由学園の素晴らしさを世間にどう伝えたらよいか・どうしたらうまく伝わるか」でした。仲野さんも僕も、子どもたちや親御さまたち教育消費者の代弁者として率直な意見をたくさん述べさせていただきました。
更科先生をはじめ自由学園のために少しでもなれたのであれば嬉しい限りです。
そうそう! この自由学園は最近注目されてきた大学受験の総合型選抜には最高の学校だと思いました。みなさんもぜひご見学を! 百聞は一見に如かず。
ご希望ごさいましたら再度見学会を企画いたします。寮もあります。生徒自身が運営する「学びのための寮」です。トイレは美しき最新型トイレでした。
2024(R6)年11月26日(火)記
「学びを通じて人と人とを繋げる私塾ネット」は全国をまたぐ最大級の学習塾民間団体です。今年設立24年目を迎えています。学びを広げ縁が深まることを目的に活動しております。皆さまのご協力に深く感謝しております。ありがとうございます!
今後の活動
毎月第一日曜日「塾人・先生・大人のための歴史講座」
来年4月20日(日) 全国研修会 @東京・大井町「奥田健次先生」お待ちしています!