受験生の成績を伸ばす鍵は食習慣にあり!やる気・集中力UPへ!受験生の栄養学

アシェット 尾田衣子さん

『勉強へのやる気や集中力が続かない…。』そんな悩みを抱える親御さんは多いと思います。実は、これらの問題を解決する鍵は「食習慣」にあるのを知っていますか。食事の見直しが、学力向上に直結する理由を知って、受験対策の一環として活用してみてはいかがでしょうか。

◆栄養が成績に影響を与える理由

栄養は体を作るだけでなく、脳にも大きな影響を与えます。特に、受験生は脳をフル活用しなければならない時期なので、普通のお子さん以上に栄養の吸収やバランスに気を使わなければなりません。なぜなら、脳はエネルギーを大量に消費する器官。そのエネルギー源となるのは『食事』なんです!

1. エネルギー不足は集中力の低下につながる

例えば、朝ごはんを食べない子供は、エネルギーが不足し、学校や塾でのパフォーマンスが低下することがあります。特に炭水化物は、脳にとって重要なエネルギー源です。栄養不足の状態では、集中力が続かず、結果的に学習効率が悪くなってしまうのもうなずけますよね。

全国一斉の学力テストで「朝食をしっかり食べている子の学業成績は、そうでない子と比べて約2割高い」という結果が出ています(図1)。長年繰り返し、10万人を対象に調査しても結論はいつも同じ。これには国も衝撃を受け、文部科学省主導で「早寝・早起き・朝ごはん」運動が始まっているのもご存じの方も多いと思います。

2. やる気の源はドーパミン!栄養素が影響

やる気を起こす脳内物質「ドーパミン」は、たんぱく質やビタミンB6が必要です。これらの栄養素が不足すると、やる気が低下し、学習意欲も減退してしまいます。逆に、ドーパミンの生成をサポートする食事を取ることで、勉強へのモチベーションが自然と高まります。毎日の食事にたんぱく質を多めに取り入れてもらい、ビタミンB6を意識した献立にしたことで、以前に比べて自主的に勉強を始めるようになったと言う声もあるぐらいなんです。やる気は、栄養バランスからも大きな影響を受けるのです。

下は食べ物によって集中力が変わることを示したグラフです。食事の内容が大事だという事が分かりますよね。

3. 健康的な食事が一生の資産に

受験をきっかけに、お子さんへの健康に目を向ける親御さんも少なくありません。しかし、どのような栄養や献立作りが自分の子供には必要か分からない。という声もとても沢山頂きます。受験期は特に健康を気にしがちですが、実際にはどのように変えていくか。効率よく栄養を摂らせる食事とは。を考える必要があります。受験期に食習慣を見直したご家庭では、子供が以前よりも健康的になり、風邪をひきにくくなったと言いう声を頂きます。こうした習慣は、受験後も続けられ、子供の一生の健康につながることが多いのです。

◆お伝えしたい受験生におすすめの栄養サポート

受験生に特におすすめの栄養素は以下の通りです。

・オメガ3脂肪酸:魚に含まれるこの脂肪酸は、脳の機能をサポートし、記憶力や集中力を高める効果が期待されます。
・ビタミンB群:脳のエネルギー代謝を助けるため、疲れやすい受験生には必須です。
・鉄分:鉄分が不足すると、酸素が十分に脳に供給されず、集中力や持久力が低下します。

親御さんとしては、まずはこれらの栄養素を意識した食事を子供に提供することで、自然と学習環境を整えることができます。

◆勉強+栄養で成績アップ!塾と家庭で築く受験生の合格環境

受験生の成績を伸ばすためには、やる気や集中力を高めることが不可欠です。そして、そのためには適切な食事が重要です。脳に必要な栄養素をしっかりと取ることで、子供の学習効果は飛躍的に向上します。

栄養サポートは、一見地味に思えるかもしれませんが、ご家庭でしか出来ない、親御さんが出来る最も効果的なサポートの一つです。塾とご家庭でうまく連携する合格環境を作る、具体的には学力向上とやる気、集中力向上が塾とご家庭の両輪でうまく回せる環境づくり、それが受験生に最も必要となる“合格環境”となります。

『勉強+栄養』で子供の力を引き出していく。受験をきっかけに始めた健康的な食習慣は、子供の将来にも良い影響を与え続けるでしょう。

●尾田衣子 プロフィール
料理研究家としてTV出演、料理本著書多数あり、分子栄養学アドバイザーの資格を持つ。分子栄養学の知識を応用し『栄養が成績に直結していること』を自らの子育て中に発見。現在は受験生の親子の食事を改善することで『やる気・集中力』が向上し成績UPへと導く「受験必勝フードサポーター」として活躍している。