阿部 一彦 / 阿部塾(神奈川県川崎市)代表
│ 阿部塾 阿部先生の取り組み
生徒数について、今月阿部塾として初めて生徒数がトータル100人を超えた(プロクラ+小学生+中学生+高校生)。大体、中学生と高校生が同じくらいの数いて、小学生はそれより少なめという人数構成で推移している規模の塾。
│ 阿部塾がやっていること
基本的には今、子どもの数がどんどん減っているので、やれることは何でもやろうかなと思っている。8年前に1対1の個別指導塾としてスタートして、2年ちょっと前からプロクラ、2年前から日本航空高校のサポート校を始めた。プロクラを始めたきっかけは、愛知県の知り合いの塾が1教室で100名の受講者を集めていて、集客に良いと勧められたから。プロクラの入会金は22,000円、月謝等は16980円で、普通の小学生の月謝として結構高い。授業は60分、プロクラのロイヤリティーは30%。阿部塾としては単価を安くしてなんでもかんでも生徒を集めるのではなく、高くて少人数という形にしたかった。そのためプロクラの月謝13,200円に諸経費を足して高めに設定している。今、ちょうどプロクラの体験会をやっていて入会があるので、40名近い人数で月の売り上げとしては5~60万の売り上げを目指している。
高い料金設定にしているわけとして、塾としてプロクラからの塾部門にくるという流れを阿部塾の基本の流れにしたい。近隣の小学校の中受する層は全校生徒の60%くらい。そのお金のある教育意識の高い中受の層を低学年から引っ張って来たいというのがねらい。今いる生徒は、4・5・6年生は中受をあまりしない層、1・2・3年生は中受を検討中の層が多い。プロクラの6年生が塾の中学生に入るのは15~6%くらいで少ない。面談等をしてその数字なので厳しい。プロクラを習い事という風にとらえている。プロクラは、校門配布などで阿部塾の認知度を上げる広告宣伝の意味合いでやっている。広告宣伝としては、ここのところとても問い合わせが増えていて、阿部塾始まって以来の(新規開校の次)問い合わせ数になっている。中学部につながらない理由の一つは塾の単価が高いことが挙げられる。塾の料金設定としてはトーマスよりちょっと安いくらいを目安に設定している。近くの集団塾とか個人塾に流れたり、駅前の大手(臨海)に流れたりする。プロクラと中受の層って親和性がありそうだが、習い事感覚だと意識に違いが出てくる。そろばん教室に通う層と中学受験の層が違うように。そこで、昨年あたりから説明会にすごく力を入れている。大学入試や共通テストの話から例えば読解力、プロクラをやると大学入試まで続く読解力がつきますよといった話をする。そうすると少し入会する生徒・保護者の意識が変わってくるのではないか。
サポート校については、これも知り合いの先生から、「塾に行くと学校の出席になる」という話を聞き、そういう塾ならばやってみたいと思って始めた。しかし、川崎市の教育委員会に塾側から接触をすると冷たくあしらわれるし、保護者を通して教育委員会に連絡を取っても、不登校の一部の生徒をそういう形で認めたら、他の生とも認めなくてはいけなくなってしまうので、学校の単位認定はできないと伝えられた。不登校の生徒にどうにかできないかと思って始めてみたが、何もできず、サポート校としては現在生徒はいない。不登校の生徒は多いのでどうしてあげたらいいのかと思う。
スタッフは、自分を含めて社員は2人、臨海の幕張本郷の時に一緒にやっていた先生が来てくれている。その他の活動としては、商店会の活動、法人会の活動、ロータリークラブなど、社長たちが集まるところには基本的には顔を出していきたいなと考えていて、それが広報宣伝活動になっていくといい。あとは今やっている集客活動としては、まずは看板。みんなここに来るのにこの看板見てきましたという感じの大きな看板。一番大きな大学受験生募集の看板は2メートル×3メートルサイズ。それから、プロクラの校門前配布。校門配布数の1%くらいの体験申し込みがあり、そのうちの30%が入会するというデータがある。今回3000枚配布して30人くらい体験をして10人入会すればいいなと思っている。あとは、SEO、MEO対策。保護者面談の時にそういう話になってやってもらっている。費用の半分はIT補助金で賄っている。補助金は、IT補助金の他に、小規模事業者持続化補助金を12回くらい使っている。看板はほとんど補助金で作成できている。申請の書類は自分で書いている。その他ルンバや電子黒板に関しては業務改善助成金で購入した。助成金は半額~3分の2くらい出る。
基本的に、毎週各学年のホームルームを行っている。一週間の学習のルートを決める。英単語は何番から何番、理科や社会の一問一答も何番から何番のようにすべてフォーサイト手帳に記入させる。そしてフォーサイトを見ながら生徒面談を行っていつ、どこで、何をやるかをチェックする。ホームルームはそれぞれ曜日が、中3は月曜日、高1・2は火曜日、中1・2は水曜日のように決まっていてその日に該当学年の生徒は全員来る。その中でPDCAを回すという話を徹底する。ホームルームは2時間やっている。その中で最初にお知らせのお手紙(月2回発行)を配布して、その内容について話をする。例えば、テスト前だとどういう勉強法がいいのか生徒同士が話をし、そこで出てきた話を元にアドバイスをする。手紙に関しては中学生にも大学受験で必要なことや考え方もしっかり話し、続けていく意識付けをさせている。B4用紙で8ページ分の手紙を月2回作成して渡している。そのほかには、英単語のテストと語彙のテストをホームルーム中に行っている。お手紙と計画を立てることと英単語・語彙のテストの3本建てが基本。英単語に関しては紙ベースのテスト、語彙は友達同士で口頭でテストをする。8割で合格。語彙は1週間で50~60語覚えてこようと声をかけている。多い子では100個の子もいるし逆に20個もいる。覚えてきたところを申告してテストをする。あっているかどうかも生徒がそれぞれ判断する。あまり完璧を求めてはいけない。ホームルームの中で生徒一人ひとりと計画について面談をするので、その間面談を待っている生徒は自習をしている。気持ちを作るってすごく大事にしている、生徒は塾に来た時に基本的にやりたくないって気持ちで絶対塾来ている。だから、それをちょっと頑張れよって、1つ励ますっていうのってすごく大事だと思っているので、 そのモチベーションをホームルームで1週間に1回上げるっていうことを毎回必ずするようにしている。個別指導で60人超えたあたりから講師に任せきりになる子がでてきて、そうすると退塾する子が増えて、自分が授業をやらずに全員と顔をあわせて想いを伝える場所が必要だと考えてホームルームをつくった。