「子供の勉強へのやる気がなくて困っています」
面談などでご父兄からよく言われる言葉です。やる気を引き出すのは簡単ではありません。自分も経費の計算や記帳など、苦手な事に対してはなかなかやる気が起きず、毎年の確定申告の頃には「ああ、子供達が勉強に向かう時もこんな感じなんだろうな」と痛感します。
しかしあきらめるわけにもいきません。私の場合は入塾の面談の際に、ご父兄の方によく提案する事があります。「勉強へのモチベーションを上げるために、お子さんが過去最高順位を更新した場合は何かご褒美をあげてください。できればこの場でお子さんと具体的に契約してください」という提案です。
ほとんどのご父兄はこの提案を前向きに検討してくださいます。実際に生徒が過去最高順位を更新した場合、ケースによっては私がご父兄にメールして、ご褒美をあげてくださるようお願いすることもあります。私の家庭はどうかと言うと「学年10位以内で新型iPhone」という契約を中学生の娘としております。この契約はしばらくは娘に響いてないようでしたが、今回の定期テストでは本気で狙いにいっているようでした。
では、そのような提案に後ろ向きなご家庭の場合はどうするのか?そのような場合は、私がご褒美をあげるのでそっと契約しに来なさい、と生徒には伝えてあります。過去、私との契約で最も高額のご褒美を得た生徒は、報酬が無くなった後も勉強へのモチベーションは落ちず、トップ高に合格し名門大学へ進み、現在は東京のアマゾンジャパン本社に在籍しており、卒塾生の中では出世頭です。外発的動機付けが内発的動機付けにうまくつながった例だと思っております。
以上の事を知り合いの塾の先生に話したところ、勉強に対してご褒美を与える事は長期的にその子の成長に寄与すると海外の研究で報告されている、と教えていただき、一冊の本をすすめて頂きました。【「学力」の経済学】という本です。さっそく購入して読んでみると、私が提案していることが間違っている面もある、ということもわかりました。今後はより効果的なご褒美の与え方も検討していきたいと考えております。