エリア報告|神野 純典 (神野進学教室・愛媛県)

神野進学教室の神野です。長年暮らした神戸から故郷の新居浜に戻り、2008年12月に妻と二人で教室を立ち上げてから14年がたち15年目を迎えました。

新居浜市は、愛媛県の東部に位置する人口11万5千人ほどの地方都市です。別子銅山の開坑によって栄えた住友の企業城下町で、臨海部には住友の工場が立ち並んでいます。
新居浜市もご多分に漏れず、人口減少・生徒数減少が大問題です。私たちが本格的に生徒募集を始めた2009年の中学校の生徒数は3465人でしたが、2022年には3142人に減少しました。率にして約10%の減少です。

もっと厳しい環境で奮闘されている先生方のお話を伺うことがあるので、泣き言は言っていられないのですが、こんな状況ですから、最近よく、これから変えていかなければならないことと、逆に変えずに続けていかなければならないことを考えます。大学入試をはじめ教育環境が激変していますから、知識・教える技術をアップデートしていかなければならないことはもちろんですが、他方教室の基本方針、私たちで言えば『新居浜の子供たちのための教室』をつくるということは持ち続けなければならない。

開校以来続けていることに、学習計画表があります。一週間に一度、生徒たちに学習計画表(A4のプリント)を配布します。彼らは、それに、勉強時間・教科・テキスト・単元・ページ・自己評価を記載して提出します。そして私は、それに簡単なコメントをつけて返却という流れです。学習計画表の目的はもちろん、生徒たちが目標を決めて計画的に行動することができるようになることですが、生徒たちとのコミュニケーションの手立ての1つになっています。私にとっては、そちらの方が大きな意味をもつかもしれません。

学習計画表の一番下に感想欄をつけました。なんでもいいから生徒たちが感じたことを自由に書いてもらっています。たいていは「今週はこつこつと勉強できた。学力テストや休み明けテストを見据えて確実に力をつけたい」など、勉強に関するまじめなコメントが並びます。でも中にはこんなコメントが混じっています。「クリスマスです。あんまり感じんけど、でもご飯で美味しいものが出ると思うのでとても楽しみです。たくさん食べるぞ」コメントの主はシユウ君、中学校2年生の男の子です。ちなみに彼の全国模試での偏差値は70、学校では当然1番です。たまらんなぁ。