エリア東北 佐々木 康(やまばと学習館・青森県)
青森県内では10月中旬に発生したクラスターの影響で、多数の感染者が発生しました。未だ予断を許さない状況が続いておりますが、ここでは夏の講習会に関する当館の動きについて振り返ってみたいと思います。
夏の大きなイベント、“夏期講習会”を開催するにあたり、今年度はこれまでにない取り組みを導入しました。
当館は基本的には集団一斉指導を行っておりますが、中学3年生と小学6年生の受験クラスのみを集団指導で指導し、他の学年については“夏期アシスト”と称したフレックス登校制で三密回避をし、更にeトレを使用して各学校の進度差による既習範囲のズレを解消する指導を行いました。eトレについては、特に小学生の理科・社会などレギュラーの授業内で指導をしていない教科にも触れることが出来、大変好評でした。
また、同時に取り入れたのが「オンラインによる集団指導の参加」です。青森県青森市では全国に先駆け、4月中旬より全小中学校の休校期間、家庭でのオンライン指導が行われました。当館もそこに合わせて4月よりオンラインチャットアプリの「zoom」を活用した指導を開始しておりました。これを夏期講習会でも利用し、希望者にはご家庭からオンラインで集団指導に参加して頂いております。この取り組みは現在、再びコロナウイルスの感染が広がってきた10月、11月に再度活用することが出来ております。
これらの取り組みを行うことができた要因としましては、前述の通り4月からオンラインの準備を進めてきたこと、そして補助金等を活用できたことが挙げられます。
4月の準備については、今思うと本当に苦労が多いものでした。機材の準備は勿論、その使い方、スタッフとの研修などを進めてきましたが、地方では各ご家庭のWiFi設備が整っていない、あるいは視聴する端末が無い(保護者の方しかスマホを持っていない)状況も多くみられました。アンケートを取ったところ、全塾生の約3割のご家庭がオンライン授業を受講できない状況であることが判明しました。当館はこの問題に対し、レンタル用の機材を25台購入し、どの生徒もご家庭から受講できる体制を整えました。ただ、環境によっては回線速度が遅くなるという問題も出てきました。スタッフも在宅で指導をしていたのですが単身住まいの大学生はアパートからオンライン指導をする際、大きなファイルを画面共有すると回線が止まってしまう等々、日に1つ2つ問題が発生し、寝る間もなく対処する必要がありました。
大きな出費が重なる中で活用したのが、国や自治体、商工会議所の補助金でした。活用できるものは全て申請し採択を受けました。特に、商工会議所が窓口となっている「小規模事業持続化補助金」について今年度分を含めこれまで4回採択を受けております。今年度は「全教室に1台の空気清浄機の導入」という内容で採択を受けました。これからの季節のウイルス除去、あるいは花粉症などのアレルギー対策に大いに活用できることと思っております。小規模「事業持続化計画は、自社の売り上げ目標や問題点の洗い直しなどもできる為、大変活用できるものですので是非皆様にもご活用いただけたらと思います。
夏期講習会を終え、短い津軽の秋も終わりました。先日も窓を開けたら、もう雪が積もっていました。当館ではこれから冬期講習会を迎えるにあたり、夏期講習会運営を再活用するもの、また反省すべき点を精査している最中であります。オンラインのメリットとして、普段の集団指導ではどうしても声を出せなかった子も、画面越しであれば積極的に質問をしてくれる、という点がありました。ただ、子ども達が解いている過程を見ることができない(顔は見えるが手元が見えない)という面もあり、演習形式の指導をどのように進めていくか考えていく必要があります。インフルエンザの流行り出す時期でもあります。体が資本の仕事、健康には十分注意をしながら受験期の指導をしていきたいと思うところです。